不動産鑑定士とは?
不動産鑑定士とは、いったいどんな資格でしょう?
私は、宅建を取得した時でさえ不動産鑑定士の存在をよく知りませんでした。
世間一般の人には、およそ馴染みのない資格だと思います。
自分で、一戸建住宅や、マンションを購入するとき、あるいはアパートなどを賃貸するときには、たいてい不動産会社や建設会社等に問い合わせをすると思います。
新聞でも、毎年地価公示、相続税路線価などのニュースが掲載され、トップニュースになったりします。そのような時に、自分の土地は、今いくらするのだろう?と思う人もいるかもしれません。それでも不動産鑑定士に鑑定してもらおうとは誰も思わないでしょう。
私の事務所にも、まれにですが、「○○市○○町の○○辺りは、いくら位するのか」というような問い合わせがあります。
どうも世間一般的には、街の不動産屋さんと同じと思われている人が多いようです。
そういった方々には、「土地の価格に関する専門家で、官公庁や裁判所に提出する鑑定評価書という書類を作成しているんですよ」と説明しています。
不動産鑑定士は、一般の人たちには極めて認知度の低い資格と言えます。
※不動産鑑定士とは~以下公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会HPより抜粋~
限りある国土だからこそ価値が問われる時代です。土地問題の焦点は 「適正な地価」と「適正な土地利用」をいかに図るかというところにあります。
不動産鑑定士は、地域の環境や諸条件を考慮して「不動産の有効利用」を判定し、「適正な地価」を判断します。
つまり、不動産鑑定士は、不動産の価格についてだけでなく、不動産の適正な利用についての専門家でもあります。 不動産鑑定士はさまざまな分野で活躍しています。国や都道府県が土地の適正な 価格をー般に公表するための、地価公示や地価調査の制度をはじめとして、 公共用地の取得、相続税標準地の評価、固定資産税標準宅地の評価、裁判上の評価、会社の合併時の資産評価ならびに現物出資の評価、さらには、不動産に関するコンサルティング等、広く公共団体や民間の求めに応じて不動産鑑定士が業務を行っています。不動産についての専門家、「不動産鑑定士」はあなたの身近で活躍し、 あなたの不動産の良き相談相手なのです。 ※不動産鑑定業務 定期的な鑑定評価のひとつとして、国や都道府県が行う「地価公示」や 「都道府県地価調査」「相続税標準地の鑑定評価・固定資産税標準宅地の鑑定評価」があります。 そのほかにも公共用地の取得や裁判上の評価、会社合併時の資産評価なども行っています。 コンサルティング業務 不動産のエキスパートとして広く個人や企業を対象に、不動産の有効活用、開発計画の策定をはじめとする総合的なアドバイスを行っています。 まとめると不動産鑑定士とは、国土交通省土地鑑定委員会が実施する国家試験である不動産鑑定士試験に合格し、かつ国土交通省備え付けの名簿に登録を受けたもののことで、不動産の価格(経済価値)に関する高度な知識を有する専門家(プロ)のことです。
※不動産鑑定評価書の活用例
①地価公示、地価調査、相続税、固定資産税等の標準地の評価
②公共用地の取得に関する評価
③担保不動産評価、競売不動産評価
④商法改正に伴う現物出資等の目的となる不動産の鑑定評価
⑤デューデリジェンス(物件調査)等その他価格等調査業務
⑥不動産の証券化に関する鑑定評価等
があります
世の中で、不動産の価格を決定することができるのは...
不動産鑑定士と裁判官です。
では、裁判官との決定的な違いは? 不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価の三手法(原価法、取引事例比較法、収益還元法)を用いて対象不動産の価格を決定します。 この不動産の鑑定評価の三手法を適用するために、鑑定評価の手順に従い、不動産の価格を形成する要因(価格形成要因:一般的要因、地域要因、個別的要因)を分析し、対象不動産の最有効使用(その不動産の持っている効用を最高度に発揮できる使用)を決定します。裏返して言いますと、不動産の鑑定評価の三手法が適用できなければ、不動産の価格を求めることはできません。